気まぐれ日記 04年11月

04年10月ここ

11月1日(月)「夢から現実へ逆戻り・・・の風さん」
 
カーテンを開けてみたら、空はどんよりとしていたが幸い雨は降っていない。
 スタンバイ状態のアシュレイを立ち上げると、つなぎっぱなしだったLANを通じて新規メールがどさどさっと入っていた。
 昨夜、出発の準備はほとんど済ませてあったので、やることは少ない。それでも仙台駅前8時発の空港リムジンに乗車するために、今朝も6時起床と、寝坊助風さんにはつらい朝だった。しかし、気分転換効果が残っているようで「めまい」は起きなかった。
 仙台空港は霧に包まれていた。欠航が心配される便もある中、無視界飛行ながら、何とか飛び立つことができた(ドキドキ)。
 午後からの会議がなければ、今日は東京に寄って外務省外交資料館を見学したかった。たしか日米和親条約の特別展示がされているからだ。
 定刻に名古屋空港に着き、民間の駐車場からミッシェルを受け取って、公道に出たのが午前11時である。名古屋高速にのって突っ走れば、職場には正午ごろ着くはずである。悲しいスケジュールではあるが、いちおう順調ということで、ホッとしたのもつかのま、とんでもない事態に巻き込まれた。
 名古屋高速が計画工事のために部分閉鎖されていたのだ。
 工事をしていない8キロ先のインターまで、実に2時間もかかってしまった。平均時速4キロという自分の歩く速度より遅い結果になってしまった。
 職場に着き、重要な会議が始まっているところへ、後ろからコソコソと忍び込まなければならなかった。始めは奥に座っていたが、専務らの質問に、代表として答えなければならない状況もあり、最前列に出るハメになった(やれやれ)。
 すっかり夜の帳(とばり)が降りた頃帰宅したが、意外と元気で、体調復活の手応えを感じた。

11月2日(火)「秋深し季節外れのチビゴキか・・・の風さん」
 朝の洗面を終えて、ふと足元を見たら、洗面所のマットの上にチビゴキの死骸が・・・!
「おーい。寝ている間に、ペコがゴキを退治してくれたみたいだよ!」
 私は、階下のワイフへ向かって叫んだ。ペコは最近、夜になると2階の踊り場で寝ていることがある。それに、以前ゴキを見つけて虐待している姿も見ている。拾った猫だが、ようやく恩返しを始めたと思い、ふと涙ぐみそうになった。
「あら。それは私がやったのよ」
 予想が外れた。
「じゃ。ちゃんと片付けておけよ。あやうく踏みつけるところだったじゃないか」
 言いながら、激しい恐怖が体を貫いて、冷や汗が流れた。私はこの世でゴキが最も怖い。

11月3日(水)「違うんじゃないか!?・・・の風さん」
 朝、ふと目が覚めて、隣を眺めると、ワイフが寝ている(知らない女だったら大変だが)。
 (あれれ? どうしてかな?)
 よおっく考えた結果、今日が祭日なことに気が付いた。そう。祭日は子供らは休みである。子供らが学校に行かないということは、弁当が不要。弁当を作らないのならば、早起きする必要がない。亭主はほっといても自分で起きて食事して会社へ行く。ならば、とことん寝ているに限る・・・。
 新プロ球団は楽天イーグルスに決まった。経営者が選ぶのだから、経営的に安定度の高い企業ということになってしまう。しかし、違うんじゃないか!? 
 経営的に有利な企業ということより、経営的に安定であることは前提条件つまり必須条件であり、その上で、プロ球団運営について、いかに高い志をもっているかを問うべきである。日本のプロ野球の将来に対して、どのようなビジョンを持っているか、である。たとえば、ライブドアの方が、1試合当たりの集客予定数が楽天より5000人多かった。これは、球場に足を運ぶお客の数を大事にしようという、つまりファンを大事にしようという、今のプロ野球に不足している姿勢を明確に表している。ファン不在の経営は、顧客不在のビジネスと似ていて、危ういものだ。それに、真っ先にフランチャイズとして仙台を選んだライブドアの着眼も、プロ野球の地元志向というポイントをとらえたものだ。遅れた楽天は、同じ仙台を選んだことで、かえって経営的な視点(東京を中心に西の大阪に対して東の仙台であり、かつてロッテがフランチャイズにして成功していること)から選んだだけのような印象が強かった。地元志向を主張するなら、プロ野球を持たない土地(札幌とか那覇とか)を選択すべきだ。
 晩御飯はピザを取り、ワイフとワインのボトルを1本飲んでしまった(ひゃー、外国映画みたいでカッコいい〜)。
 その後、CATVで日本のホラー映画の焼き直し「ザ・リング」を鑑賞した。ほとんどコピーとはいえ、日本の「リング」の断然怖い。なぜかというと、たとえば映像で場面の切り替えの微妙なタイミングというのがある。怖いシーンが出そうな局面で、半拍遅れて映像が出ると、そのわずかな待ち時間が実に怖い。アメリカの「ザ・リング」には、そういった気配りがない。次々に怖い場面を見せつければいいと思っている。違うんじゃないか!?
 
11月5日(金)「休んじまった〜・・・の風さん」
 昨日、会社の仕事のちょっとした節目があった。これから楽観視できるわけではないけれど、ひと山越えたのは間違いない。治っていた「めまい」が今朝はぶり返していた。それもどうやらおさまりそうだ。で、夕べはようやく仙台講演旅行の後始末に取り掛かったのだが、午前零時過ぎまでやっても埒が明かなかった。
 てなこともあり、今日は目覚めたときから有休に変更。先ず、午前中にトレーニングに行ってきた。トレーニング後の数値は、血圧正常、しかし肥満度プラス0.4%で体脂肪率19.8%と、まだまだ絞り足りない。これからは本気でトレーニングをやろうと思う。
 帰宅して軽く昼食を摂ってから、地元の警察署に免許証の更新に出かけた。誕生日はとっくに過ぎていた。その後、大型酒店に寄って、仙台で恩師と入ったショットバーで美味しかったリキュール「ベンディクティン」を探して買った。2079円。さらに3軒買い物のハシゴをした。初めて入ったレンタルショップで、探していたディープパープルのCDがあったので新規登録して借りた。だいぶ前に系列の会員になったことがあり、名前と電話番号を告げたら、長男の名前を言われた(あいつ、高一のくせにレンタル会員になってやがる)。
 夕食後、どっと疲労が出て、そのまま居間のソファで爆睡。

11月6日(土)「せっせと読書の秋・・・の風さん」
 8時半に起床・・・というのは正確ではないな、起ソファと言うべきか。随分寝た筈だのに、まだ眠い。
 長女と次女に鳴海風の手伝いをさせた(もちろん有料のアルバイト)。その間に、私は、町内会の仕事で、電動ドリルやデジカメを持って住居区域内を走り回った。帰宅したら、長女は仕事を片付けてくれていた。自分でやっていたら2時間はかかる仕事だ。
 今日は、2冊の本を読み終えた。若桜木虔著『修善寺・紅葉の誘拐ライン』である。これはインターネット時代を反映したミステリで、事件だけでなく警察の捜査もメールを駆使していて面白い。また、実在の人物や場所がそのまま固有名詞で登場してきて、作者の「売らんかな」という商魂も見え見えだけれど、読者としては後からチェックできるという楽しみもある。また、昨今の多発する少年犯罪も下地にしてあり、コンテンポラリー娯楽小説となっている。もう1冊は、デイヴ・ペルザー著『It(それ)と呼ばれた子』である。少年時代に母親から激しい虐待を受けた作者の赤裸々な体験談で、理由は分からないが、理由も分からず虐待を受けた少年の視点で書かれた作品として、貴重である。私の子供時代にもクラスに乱暴者の子がいたが、もしかすると家で親から虐待を受けていたのかもしれない。
 夜は町内会の会合があった。
 寝る前にハーブたっぷりのリキュール「ベネディクティン」をお湯割で美味しくいただいた。

11月7日(日)「映画鑑賞・・・の風さん」
 昨年から新鷹会の手伝いを色々としている。そろそろ来年の「大衆文芸」寄稿者計画を会員に知らせねばならない。というわけで、今朝からその準備に入った。
 33人分の手紙と平成17年度寄稿者計画を印刷し、宛名シールも印刷して封筒に貼った。さらに、新年号の原稿を依頼している会員には、原稿依頼受諾回答用の往復葉書も準備した。これが9枚(実は、印刷で失敗こいた。同一人物の葉書を9枚印刷してしまったのである・・・ドジ)。一部の会員にはメールでも知らせた。明日、3分の1は投函するが、来週15日の勉強会で持参するつもりである。
 借りてきたDEEP PURPLEのCDをコピーした。
 夕方からワイフと映画を観に出かけた。来年3月末まで夫婦50代割引というのがある。夫婦のどちらかが50歳以上なら二人で2000円というもの。それを初めて利用した。観た映画は、トム・クルーズの「コラテラル」。予備知識なしで観たので、良かった。私のように作品を書く前に徹底的に調べる作家は非常に苦労する。そこへいくと、この「コラテラル」は、事前に何も調べる必要がない、が、それでも面白い。最初の男女の出会いが、最後でどうつながるのか、という興味や、善良なタクシードライバーが殺し屋(トム・クルーズ)に引きずり回されるうちに、勇気ある正義のヒーローに変身してしまう点や、バイオレンスなストーリー展開なのにもかかわらず、クラシックやジャズの演奏をバックに何となく哲学的な会話が交わされていく不思議(それが殺伐とした都会の味かもしれない)、それらが心地よい不協和音となって観る者の興味を引っ張っていくのである。
 徹底的に調べて書くばかりが能じゃない、と教えられた夜だった。

11月9日(火)「依然として元気・・・の風さん」
 最近、すこぶる元気になってきた。少し無理しても平気だと分かると、何しても死なないんじゃないかと錯覚し出すから、やはり人間は愚かだ・・・じゃなかった、自分がバカなのだ。
 昨日は、帰途、GSで給油した後、今度の上京時に使う私鉄の特急券を駅で購入し、さらに地元の図書館まで行って次女の借りた本まで返却してきた。その勢いで、今日も勤務先から速攻で帰宅して、そのままトレーニングに。いる、いる。わんさとトレーニング・ルームに人が来ている。負けずにせっせと励んだ・・・が、オーバー気味の体重はさっぱり減らない。トレーニング後の数値は、血圧は・・・まあ正常、肥満度がプラス1%で体脂肪率が19.4%だった。
 夕食後、メールチェックし、それから借りてきたDVD「フィールド・オブ・ドリームス」を観た。2回目の鑑賞である。部下の結婚披露宴で主賓としてスピーチするので、そのネタとして使うのである。男のロマンがテーマのような作品であるが、亭主を陰で支える妻の姿も感動的で、これは夫婦愛の物語とも言えるのである。
 一方、小説家としてこの作品を眺めると、勉強になる点も多い。特に、妻の姿を描くために、PTA総会でのディベートといったやや極端な場面を描いていることなど、これは参考になる。

11月10日(水)「韓流にはまった風さんの巻」
 毎晩遅くまで読書してから寝ているので、寝不足のはずだが、目覚めは元気である。いよいよ復活してきたような手応えがある。
 今夜も速攻で帰宅したのだが、夕食を腹いっぱい摂ったら、さすがに眠くなってきた。そこで、ソファで2時間寝てしまった。それでも、目が覚めたら、元気を回復したようなので、ワイフが借りてきた韓国映画のビデオ「ラブストーリー」を観る気になった。
 133分の映画を夢中になって観てしまった。今年、最も感動した映画かもしれない。
 何に感動したと言って、ストーリー展開に飲み込まれてしまったのだ。アメリカ映画のトリックとは違う、意外性のある展開に翻弄されたと言うことだ。先ず、主人公たちの容貌やキャラ、演技にある先入観が生じてしまった。70年代と現代という二つの時代が交互に舞台として出てくるのだが、70年代が実に懐かしい。フォークソングとクラシックをベースにしたBGMにもすっかりはめられてしまう。そして、観客としては、ある期待をもってストーリー展開を眺めていくのだが、意外な展開となり、悲劇ではないにしても、70年代を舞台にしたストーリーとしては、期待とは違った結末を迎えるのだ。続いて、現代に、そのストーリーは引き継がれ、70年代とは違ったハッピーエンドを迎え、いったんは安心するのだが、さらにもう一つの大きなハッピーエンドが用意されていて、観客は喜びと感動で涙を溢れさせるのだ。そのとき、ボーッとしていた観客としては、確かに、そういった結末になるための伏線が用意されていたことに、ようやく気付くのだ。
 リアリティという点では大いに問題はあろうが、きちっと人間を描いたドラマに仕立てられていて、心憎いまでのストーリー展開がされれば、もうイチコロである。おまけに演じているのが、日本には稀有になったような純粋なキャラの韓国俳優たちなのだから。

11月11日(木)「まだまだ本調子じゃない・・・の風さん」
 夕べ遅くまでビデオを鑑賞し、それから読書して寝たので、いくら2時間の仮眠をとったとはいえ、少々無理だったらしい。今朝は、強烈な「めまい」に襲われ、まともな時刻に起床することができなかった。
 出勤するためにのろのろと玄関を出たら、ワイフのトールペインティング教室の生徒さんたちが3人やってきたところに出くわした。「まあ、先生のご主人ってナマケモノだわ」と思われたに違いない。るせぇ、ナマケモノなんかじゃない、ボケ老人じゃい!
 会社でおとなしく仕事してさっさと帰ってこようと思っていたが、退社時間は9時を過ぎた。だが、お陰で土砂降りの時間帯を避けることができた。会社の同僚から「めまい予防」の小冊子をもらったので、これが今日の最大の収穫かもしれない。
 ケータイでメールチェックすると、このところスパムメールやウィルスメールがめっきり減っている。こういうものにも変動が激しい。

11月12日(金)「デブへの道・・・の風さん」
 今朝も「めまい」。やはりまだ本調子ではないのか。
 速攻で帰宅し、夕食前にトレーニングに行った。11月はこれが4回目。ほぼフルメニューをこなした。週に2回のペースが守れれば、きっと体力は戻ると思う。
 し、しかし、体重が増え続けているぞ(?????)。トレーニング後の数値。血圧は、まあ正常。肥満度がプラス0.9%で、体脂肪率19.9%。良くない。
 そこで、ふと思い当たることが。このところ毎晩たしなんでいるリキュールだ。ベネディクティンDOM。世界最古のリキュールとか。アンジェリカ、クローブ、シナモン、ジュニバーベリー、ナツメグ、シナモン、レモンバーム、バニラなど27種類の薬草系で、製造に2年、熟成に4年とか、製法は秘密らしいが、とにかく40度の高アルコール度ながら超甘口で、強壮効果があるとのこと。これをお湯割で1杯飲んで寝ているのだ。どうやら、こいつが肥満の原因ではないか、と(笑)。
 明日からまた出かけるので、今夜も飲んでパワーつけようっと(哄笑)。

11月13日(月)「寝坊しても三文の得・・・の風さん」
 目が覚めたら、カーテンを通して外が明るいことにハッとした。あわてて目覚まし時計を見ると、起床時刻を1時間も過ぎていた。乗車予定だった私鉄特急が発車する時刻だった。わざわざ会社帰りに買っておいた指定席特急券が意味をなさなくなった。
 今日は東京大学本郷キャンパスで、第6回国際シンポジウム「西洋精密科学受容の先人たち」があり、現在、私が追っている天文学が主テーマなので朝から聴講予定にしていた。午前10時スタートの講演に間に合うためには、最寄の駅を6時43分に出る特急に乗らなければならなかった。
 エクスプレス予約もしてあったので、洗面をしながらパソコンを立ち上げ、きっちり1時間遅れののぞみに変更しようと試みた・・・が、なんと満席! 仕方なく1本後ののぞみにした。
 朝からバタバタしたせいか、1時間遅くなったメリットがなく、名古屋までの私鉄特急乗車中も、また東京までののぞみ乗車中も、心身の疲労が出てぐったりしていた。昨日のハードなトレーニングのせいだろうか。
 のぞみ乗車中にちょっとしたハプニングがあった。私は11号車に乗っていたのであるが、12号車との間にトイレなどがあり、そこで誰かが血を吐いて倒れたらしいのだ。すぐに車掌やパーサーが駆けつけていたが、感心したのは、車掌がリアルタイムで経過を車内放送したことだ。私の後席の乗客が現場を見てきたらしく、大声でスキャンダラスな状況説明をしていて、周囲に異様な緊張を呼び寄せていただけに、この車掌の措置は適切だった。
 「・・・です。もし、車内にお医者様がみえましたら、お手を貸していただけないでしょうか」から始まり、「ただいま、お医者様の診察と手当てを受けておられます」「お医者様の判断で、すぐに病院へ収容する必要が生じました。次の掛川駅で臨時停車いたします」のぞみが掛川駅へすべりこむと、担架を持ってホームを駆ける救急隊員の姿が見えた。見事なシンクロナイズド・プレイである。「救急隊員へ引渡しができました。患者さんは意識も戻っておられます」そして、こののぞみ号の最初の予定停車駅である品川駅が近付くと、「当列車はおよそ3分遅れて品川駅に到着いたします。さきほどの患者さんは、病院で適切な治療を受けられ、もう心配はないとの連絡が入りました。ご協力ありがとうございました」と締めくくられたのである。
 東京駅のコインロッカーに荷物を入れて身軽になってから、地下鉄丸ノ内線で本郷三丁目を目指した。東大の史料編纂所を何度か利用しているので、目的地(山上会館)までの道筋は分かっている。
 受付へ行くと、2週間前に仙台でお会いした国立天文台の方がみえた。「鳴海風」というネームプレートが渡された。いつもながら恥ずかしい。既に午前のワークショップ3番目の講演に入っていた。前から2列目の席へ座ろうとしたら、すぐ後ろに東北大学附属図書館でお世話になったYさんがいたのでお辞儀した。正面に顔を向けると、座長が、これまた2週間前に知り合った電通大のS先生だった。初めての会場なのに、ホームグラウンドに入ったような気分になった。
 休憩時間に、国立天文台のK名誉教授に初めてお会いした。この方は、昨年、拙著『怒濤逆巻くも』を読んで、感想をメールで送ってくださった先生である。その後何度かメール交換していたが、お目にかかるのは初めてである。風貌というか印象が岳父(ワイフのお父さん)に似ていた・・・わけでもないだろうが、すぐに打ち解けてしまい、話が弾んで、今夜の懇親会でまたお話しましょう、ということになった。
 午前のワークショップ、午後の基調講演、パネルディスカッションと中身の濃い発表が続き、どれもこれも私には親しみのある内容で、作家としての本能を激しくくすぐられた。当然、取り組んでいる作品へ盛り込むべきアイデアがいくつか頭に浮かんだ。大収穫である。
 懇親会は赤門から出てすぐの学士会館分館で行われた。
 大阪市立科学館のKさんや国立天文台のN先生、T先生と親しくなれた。また、東北大学名誉教授のY先生からは、執筆中の作品に対する貴重なご教示を頂戴できた。驚いたのは、このY先生は、2週間前の私の講演を聴講に行く予定だったとうかがったことである。なんと拙著も読んでくださっていたのだ。本を出版したことで、その本が様々の分野の方の目にとまり、やがてこういった偶然で出会いが起きる。出版の意義と人生の素晴らしさを感じる。やはり私は本を書かねばならない。あまり書き手の多くない、数学や科学といった分野の作品である。
 懇親会は2時間もあったので、基調講演のためにパリ天文台から来られたマダム・デバルバに二つの質問をしてみた。英語で、である。質問は当然通じたが、はたして答えがさっぱり聞き取れない。挙句、紙の上に書いてもらったり、フランス語が堪能な京都大学の先生に通訳してもらったりした。あ〜あ、もっと英会話をしっかり勉強したかったなあ。
 予定よりも1時間遅れで始まった1日だったが、その遅れを挽回してなお余りある1日だった。
 この夜は、8時36分発の東北新幹線に乗って、両親の家へ向かった。

11月15日(月)「久々の勉強会は・・・の風さん」
 両親の家に着いたときから風邪気味で、昨日は体をだましだまし町内会の仕事をしていた。4時間かかった。東北地方まではるばるやって来て、こんなことをやっているというのは、一体どういうことなのだろう(と言いながら、しっかり仕事の用意を持参してきたのだが・・・)。人間というか社会人というものは、生きていくために色々なことをやらなければならない。
 昨夜の焼肉料理ともらった風邪薬で、今朝は元気に(?)起床。出発前に、13日の分の気まぐれ日記を書いた。これが実に1時間である。やはり私は筆の運びが遅い。
 冷たい雨が降る中、東北新幹線に乗車。東京を目指した。6月以来の新鷹会の勉強会に出席するのである。昼食は車内で摂った(メロンパン2個)。
 雨上がりの東京は、風こそ吹いていなかったものの少々肌寒い。
 久しぶりの勉強会は、出席は12人で提出作品も1本と少なかった。冬枯れと言うには早いが、秋深しと言っても否定はできない。来月の忘年会の出席予定人数を調べるように言われていたので、伊東先生に報告した(16人になりそう)。また、平岩弓枝先生が文化功労賞を受賞されたので、同人誌「大衆文芸」の来年3月号に会員からのお祝いの文章特集にしようと決めた。ちなみに、平岩先生の文庫「御宿かわせみ」シリーズの出版が通算1千万部を超えたとのことである。シリーズ物を書き続ける苦労は、はたで見ておられる伊東先生の目にもすさまじいものがあるとのこと。
 早めの2次会を、これまた早めの6時半で失礼して帰途についた。 
 名古屋駅前の今年のイルミネーションが、例年よりおとなしい割りに、私にはやけに眩しく見えた。目標は高く遠い。引いた風邪は幸い悪化しなかったようだ。

11月16日(火)「不死身の肉体を求めて・・・の風さん」
 東北は寒いと思っていたが、帰ってみると、こっちも寒い。マイカー通勤なので、上着なしで出勤しているが、そろそろ無理か。
 これからはとにかく体力をつけようと心に決めたので、早々と退社してトレーニングに出かけた。今月は、これで4回目である。こなすメニューも増えてきた。今日は、ラボード、ストレッチ、腹筋、背筋、ラットプルダウン、レッグプレス、ショルダープレス、レッグカール、バーチカルローイング、レッグエクステンション、バタフライ、カーフレイズとこなして終了。今後、週2回のペースでやっていくつもりだ。
 元気溌剌(はつらつ)で帰宅し、「さあ、頑張るぞ」と夕食を摂っていたら、玄関付近で怪しい叫び!
 「ゴキが出た!」
 なんで今ごろ? 実は、留守中にも巨大な黒ゴキが出現したとのことである。こんなに寒くなって・・・。
 「怖い〜」
 不死身の肉体になれば、精神も超合金の強さになるか・・・な?

11月17日(水)「なんとも不運な日・・・の風さん」
 とにかく前向きに、攻めの姿勢で生きて行かねば、と思った翌日なので、少し早めに起きた。
 今日は本社に出張するので、出社前に社内整備工場に寄ってミッシェルを預けた。私費で社内モニターをやるため、ナビを装着してもらうのである。気持ちが上向きになると、こういった先手の行動パターンとなる。
 昼過ぎにナビの取り付けが終了したという連絡が入ったので、早速受け取りに行った。元々ついていたナビ(9年間使用)は外されて処分してもらっている。新たにコンソールボックスに新品のDVDナビが収まっていた。受付の人はまるで操作を教えてくれないので、自分で解説書を開いて動かしてみた。だいたい勘で操作できるようになるから、まだまだ若いな、俺も。・・・と喜んでいるうちに、取り付けのために車内が少し変化していることに気付き、その延長線で車外に出てみることになった。すると、驚くべきことに、ボンネットに10ミリぐらいのへこみ(dent)ができていたのだ。今朝まではなかった筈だ。受付の人も記録用紙に、今朝の時点では「傷なし」と記入してある。となると、これは整備工場でついた可能性が高い。電話で確認してもらったところ、身に覚えはないようだが、「傷なし」の記録が決め手となって、後日修理してもらうことになった。とは言え、またミッシェルを預けなければならない。板金だけでなく、塗装も必要なので、1日では困難である。やれやれ。
 帰宅して、夕食のときにミッシェルのへこみの話をしていたら、味噌汁の具を食べると同時に何やら異物を噛む感触があった。取り出してみると、右上の歯の詰め物が外れたのだった。ガビーン! 多忙で定期健診通知を5ヶ月も放置してあった報いが来たようだ。早く直さねば・・・。

11月21日(日)「新たな勇気・・・の風さん」
 日付は一気に日曜日に飛んだ。その間、3日あった。平穏無事な3日ではなかった。前向きで攻めの姿勢に転じた風さんだったが、挫けそうになることがあった。それでも、どうにか今日まで来た。そして、今日は、また新たな勇気を与えられる出来事があった。
 それでは、今日までの経緯を振り返ってみよう。
 まず、18日(木)である。これは歯の治療とだぶらせて話そう。そもそも半年に一度歯科検診を受けるのがこれまでの慣習だった。朝晩歯磨きは忘れない風さんだが、もともと歯の質が弱いのだろう。虫歯菌にも冒されているに違いない。そこらじゅうの歯が治療を受けていて、レントゲン写真を撮ると、あちこち白く写り、サイボーグ人間みたいだ。今年の最初の定期健診は6月の筈だった。しかし、会社の仕事の問題で、とても行ける状態ではなかった。それでも、17日に右上の歯の詰め物が外れた以上、処置に行かねば満足に物が食べられない。そう。この18日は歯科医に行くつもりで出社したのだ。しかし、例によって、とんでもないトラブルが発生した。納入不良である。この深刻な問題に対処するため、この日はつぶれてしまい、真っ暗な中、雨に打たれながら帰宅したのであった。新しいカーナビから流れる「アダージョ」だけが、打ちひしがれた私の胸を優しく撫でていた。
 19日(金)は、覚悟を決めて出社した。とにかく、この荒波に負けてはいけない。負けてはいけないが、無防備に向かっていくこともいけないのだ(それが悲しい)。自分と妥協しながら、最小限必要な措置をとり、そして、自分の精神を守る行動に出た。昼過ぎに行きつけの歯科医院に電話して予約し、夕方、職場を後にしたのである。歯の方は、外れた詰め物を持参したにもかかわらず最初からやり直すことになった。さらに、要治療の歯が見つかって、あと数回通院することになった。前回の歯科健診から11ヶ月経過しているので、こういうことはあり得るのだ、私の場合は。治療後は速攻で帰宅し、トレーニングに行った。徐々に体力は戻っている実感があるが、体重がなぜか増え続けている。再度帰宅したら、もうへとへとだった。
 20日(土)は、午前中に町内会の仕事で飛び回った。内容は取材で、デジカメ写真を撮るのが目的。これが終了したので、午後は、町内会報の仕上げに取り掛かった。その間に、電気屋へ走り、ワイフのCDプレイヤーを修理に出し、また、町の図書館へ出かけ、参考図書を4冊借りてきた。夕方からは、21日に予定されている会社の部下の結婚披露宴で話す原稿を書き始めた。それらが終了した頃は、さすがに昨日のトレーニング疲れも出て、もう何もできなくなった。それでもパソコンにしがみついていると、ついついネットサーフィンしてしまう。ストレス解消には美しい女性の写真をゲットして壁紙にするのが一番(かどうかは分からないが、本能的にそういった行動に出てしまう)。憧れのZhang Ziyiの写真が欲しくなり、USAのYAHOOへ飛び、Zhang Ziyiで検索したら、アメリカのZhang Ziyiのページがヒットした。さすがハリウッド・スターである。欲しかった写真がわんさと掲示してあったので、せっせとダウンロードした。壁紙もZhang Ziyiに更新した。執筆マシンのハードディスクの中にある「章子怡」というフォルダーは、それらで埋め尽くされた(がはは・・・)。
 やることはまだまだたくさん残っていたが、昨夜は早めに就寝した。
 今日は、部下の結婚披露宴に出席である。会場が自宅からはちょっと不便なところにあるのだが、美味しい料理はお酒を飲みながら味わいたいという低俗な欲求に負けて、ミッシェルでなく電車を乗り継いで行くことにした。最寄の駅から7時54分発の普通電車に乗り、それから急行電車、特急電車そしてまた普通電車と乗り継ぎ(ここまでの料金が乗車賃だけで1370円!)、最後は会場の送迎バスに乗って、10時20分頃に着いた。式は11時からである。
 チャペルでの結婚式を終えて、中庭に出てきたカップルと記念写真を撮ったりしたが、空は抜けるような青空で雲ひとつない。白いチャペルの前のカップルは映画の1シーンのように輝いて見えた(が、私は恥ずかしくてこのような主役はできそうもない・・・って、もう二度とすることはないくせに)。
 披露宴でのスピーチは、酔っていないくせに、よれよれだった。小説家は文章を書いて誰かに読んでもらうのが一番だ。書き手は読み手の研究まではできていない(言い訳、言い訳)。
 そこへ行くと、専属の司会者の進行は、見事と言うほかない。いちおうマニュアル通りの台本はあるのだろうが、状況に応じて適宜アドリブ・ショットをはさむ。時間調整も兼ねて、会場内をインタビューして回っていたら、俳句の達人に出くわした。すかさず、一句所望するのである。しかも、ちゃんと考える時間を与え、後で戻ってきてしっかりフォローする。紹介の仕方も的を射ていた。もう一つ、私の関係した話をすると、新婦のお色直しで、「次はどんな色のドレスで出てくるでしょうか?」というクイズがあった。私はテーブルに置いてある名札の裏に、ある文句を書いてから色を記入して持参した。ところが、投票箱には私の推定した色がなく、仕方なく、一番あり得ない色に投票して席に戻った(これはへそ曲がりの習性のなせるわざか)。すると、いよいよ正解発表のときに、私のは当然ハズレだったのだが(今日の雲ひとつない青空のようなブルーと書いたが、新婦はピンクのドレスで再登場した)、「こんな素敵な文句を書いてくださった方もおられますが、外れた方は本当に残念でした」と、使って見せたのだ。私の愚かな行為も見逃さず、それをうまく利用する機転に感嘆した。
 披露宴がお開きとなり、私は司会者のところへ行き、さきほどの手際に感謝しつつ名刺交換した。司会者は私が小説家でもあることは先刻承知していたが、私の方は、彼女が女優をしていることは知らなかった。
 もらった名刺がうれしくて、帰宅して彼女のホームページを訪れたら、そこは彼女が愛情を注いでやまないお嬢さんを中心とするページだった。そして私は、聞いたことはあったが詳しくは知らなかった「染色体障害」というものを初めて学んだ。障害児を持ちながらも、精一杯愛情を注いでいこうという家族の姿に、人間の尊厳さを感じた。
 人生だから色々な困難にぶつかる。しかし、私の直面している困難などたかが知れていると思った。そう思うと、また新たな勇気が身内にみなぎってきたのである。

11月23日(火)「ボケと認知症の違い・・・の風さん」
 痴呆症の正式名称が、やがて認知症になるとのことである。ボケという表現は残るのだろうか。
 老化現象によるボケに加えて多忙な日々を過ごしていると、ついうっかりということがよくある。
 文芸春秋社で主催している年間ミステリベスト5アンケートの締め切りを、今年は11月25日だと思い込んでいた。昨夜までに国内、海外共に回答の用意ができたので、今夜回答しようと、帰宅して封筒を開けてビックリ! 昨日の6時だった。投票予定だった作家の皆様、ごめんなさい〜。
 こういったドジの原因をボケのせいにするとまだ許されそうだが、記憶症のせいにしたのでは洒落にもならない。ぶっ飛ばされそうである。
 それでもめげずにトレーニングに出かけた。ボケの進行を・・・じゃなかった体力低下を抑制するために、筋力トレーニングは重要である。今月からウィークデーの夜間に行く決心をしたので、今夜で6回目である。これが土日にしか行かないとなると、23日で6回目なんてことはあり得ない。だんだん激しいトレーニングができるようになってきた。しかし、それでも、体重オーバーで、肥満度0.5%、体脂肪率は18.8%である。

11月25日(木)「雑務の山崩し・・・の風さん」
 山のように雑務がたまっていて、今週はその山崩しをやっている。せっせと手紙を書いた。自分でやらなければならない町内会の仕事を一つ片付けた。ミッシェルを修理にも出した。・・・。会社の仕事も、以前より前向きに取り組めるようになってきた。・・・ところが、今朝の部会で、上司のこんなひと言を聞いて、ぎくりとした。「なかなか研究報告書を出してくれない。仕事をしているのだから、出せる筈なのに出てこない・・・」ああ、それって、自分のことじゃないか! え? 研究報告書? 違いますよ。小説。小説ですよ。
 そう。ボヤボヤしていたら、早くも若桜木虔さんの新刊が届いた。KKベストセラーズ『作家養成塾』1400円税別。ああ〜、プレッシャーだー!
 今夜も速攻で帰宅。中1日でトレーニングに行ってきた。フルメニューをこなした。特に最近は、ラボード(ルームランナーのように回転するベルトの上を走るやつ)の走り方を変更し、従来の時間制限から距離制限に変えて楽しんでいる。従来は10分走って、あとは流して終了。それを、2000m走りきるまで走る。だいたい14分以内で到達するので、ちんたら走っているのは明瞭だ。トレーニングの数値は、血圧正常、体脂肪率18.9%で肥満度がプラス0.4%。ダメだ。体重がなかなか減らない。

11月26日(金)「小説家復活への道は険し・・・の風さん」
 ミッシェルが直って戻ってきた。代車として使っていたスターレットは、走行距離がミッシェルよりも少ないのに、かなり傷んでいたし、内部もあまり清潔とは言えなかった。
 帰りに、ある大規模小売店に寄り、その中の書店に入った。初めての店で、内部はかなり広く明るく、印象や雰囲気は良かった。秘書の氷美子さんからの情報で、拙著『和算忠臣蔵』が置いてあるので、その確認と、もしまだあったら購入して店長に進呈しようと思っていたのだ。久々のPR活動である。少し元気になってきたせいだろう、そういう前向きな気持ちになってきた自分に手応えを感じていた。気分は高揚しているのだ。その勢いで、真っ直ぐ時代小説コーナー(これがあるだけで店舗の規模が想像できるだろう)へ行ってみると、あった! 3年前に出版された本がこうして置いてあるというのは、実にうれしい。それでは早速店長を呼んで・・・と思ったが、広い店内にヒマそうにしている店員はいない。レジは精算のお客の対応で忙しそうである。しばらく本を物色しながら歩いてみたが、事態は変わらなかった。こうなると急激に気力が萎えてくるのが私の特徴だ。「ええカッコするのはやめとけ」という声が頭の中でこだまする。
 5分後、私は再びミッシェルのシートに身を沈めていた。ナビのハードディスクに録音したばかりのユーミンの曲「VIVA 6×7」が、落ち込んだ私を優しく包み出した。
 

11月27日(土)「疲労?寝不足?花粉症?・・・の風さん」
 昨夜遅く、久しぶりにひと雨降ったらしい。しかし、すぐやんで、そのすぐ後から、猛烈な風が吹き出した。屋内にいても風の音が不気味に聞こえていた。
 疲労と寝不足と花粉症の薬の影響のせいか、目が回る中、必死に起き出して、町内の集会所へ急行した。今日は、自主防災訓練が予定されていた・・・筈だった。ところが、だ〜れも来ていない。「???????」と思いつつ、家へ戻り、他の役員に問い合わせると、来週なのだという。回覧も回っていたそうで、気付かなかった私のミス。ちなみにワイフも気にしていなかった。あまりにも私が「27日だ。27日だ」と喚きすぎたため、日付にまで注意がいかなったということ。
 やれやれ、というわけで、コーヒーを飲み直して、ソファーにダウン・・・再び目が覚めたのは午後1時だった。
 昨夜と今朝と続けて花粉症の薬を飲んだのだが、副作用ばかりが出て、肝心の花粉症がスッキリしない。
 夕方からまたダウンした。体がひどくだるい。念のため熱を測ってみたが、熱はない。やはり花粉症らしい。夕食後、強烈な薬に変更して飲んだ。薬が効いて花粉症が収まるのと副作用だけが発現するのとどっち先になるだろう。
 新聞で、新国劇の俳優島田正吾さんの訃報を知った。長谷川伸先生の「一本刀土俵入り」などが代表作のため、毎年長谷川伸の会に出席なさっていた。いくら勧めても前列の席に座ろうとせず、後方の末席にひっそりとお座りになられていた。懇親会の時間にはもうお姿は見えなかった。恐らく、長谷川伸先生の遺影に両手を合わせてからすぐお帰りになっていたのだろう。今年、6月の新鷹会会員による長谷川伸先生の墓参のときも、私が庫裏で花や線香を求めようとすると、「先日、島田正吾さんのお嬢様(?)が墓参りに訪れていましたよ」と言われた。
 そう言えば、南條範夫先生が亡くなられたのもついこの間のことだった。歴史文学賞受賞の時の選考委員のお一人で、「これからはじゃんじゃん書くことだよ」と激励されたのが昨日のことのように思える。
 体がだるいせいか、暗い話になってしまった。

11月28日(日)「万歩計の謎・・・の風さん」
 居住地区の健康ハイキング(ウォーキング)があり、スタッフとしてお手伝いをした。
 自然に恵まれた地域に住んでいるので、ハイキングコースはけっこう本格的である。私がよく利用している体育館の近くに約100名が集まった。昨日の寒風はだいぶおさまってはいたが、まだかなり寒い。午前8時に出発し、町民の森を目指す。最初は上り坂で、上りきった所に「あずまや」があり、伊勢湾も見渡せた。町民の森を抜けてから愛知用水路、みかん畑を通って、牧場に入る。みかん畑も牧場も個人の所有地である。牧場には乳牛がたくさんいて、独特の匂いを周囲に撒き散らしながら、モーモーと鳴いている。さらに川鵜の生息地になっている池のほとりまで行き、そこでパンの支給を受けた。有料道路脇まで行ったところが中間点か。道が大きく屈曲しているところが私の持ち場で、後続の人たちに道を間違えないようにガイドする。最後尾が追い着いたところで、再び歩き出した。途中で近所の人が何かを摘んでいるのを発見した。「何をなさっているのですか?」「むかごだよ。これ、美味しいんだよ」「むかご?」その人の手の平を見ると、小石のようなものがいくつかのっている。むかごは山芋の葉の付け根にできる珠の芽だ。初めて見たが、とても旨そうには見えなかった。
 全長7kmのコースを完歩した。今日のためではないが、ここひと月の間、体育館でトレーニングしていた成果が出たのだろう。楽勝だった(えへん)。
 帰宅して腰につけた万歩計をチェックした。昨夜、2台の万歩計がいずれも電池切れで、それぞれ種類が違ったのだが、予備の電池がたまたまぴったりだった(奇跡!)。2台とも復活させ、それぞれ右と左の腰に装着して今朝家を出たのだった。それが、右は14206、左は12673を示していた。スキップをしたり、スタッカートで歩いたわけでもないのに、数値が大きく違っていた。不思議だ。
 午後は昼寝と12月の講演の準備でまたたくまに過ぎた。

11月29日(月)「たまには雑感だらけ・・・の風さん」
 朝刊に目を通すと、不動が宮里を逆転して賞金女王を確定したとあった。さすが。
 今朝も花粉症気味。薬を飲んで製作所に出勤した。
 午後、本社へ出張し、駐車場から社屋へ向かう途中でふと気が付いた。花粉症が軽快している。どうやら、昨今私を苦しめている花粉は、住居地域・・・というか知多半島一帯に飛散しているようだ。
 帰りにコンビニに寄って、缶コーヒーを2個買った。これはコンビニとドリンクメーカーがタイアップして、ミニカーがおまけについているからだ。先日たまたま買ったら、黒のプリウスが出てきた。結構しっかり出来ていたので、他の種類も集めたかった。
 帰宅して缶コーヒーのキャップを開けたら、黒と白のアルファードが出てきた。ちぇ。同時に花粉症が再び頭を持ち上げてきた。
 腰の万歩計は7493を示していた。たいして動いてもいないのに。不思議だ。
 仙台でPRをお願いした「東北大学学生新聞」が、11月20日号を送ってきた。講演風景の写真が掲載されていた。12月号には『円周率を計算した男』の書評を載せてくれるらしい。
 なかなか読む暇がないが、昨日借りてきた横山秀夫の『臨場』、返却日は12月14日だった。その前に借りた3冊の返却日が分からない。しまった。ボケはこんな他愛もないことまで進んでいるか。

11月30日(火)「11月も終わり・・・の風さん」
 まずまずの陽気である。天気が好いと、花粉症がぐずつく。インターネットで調べたら、アレルギーを起こす花粉は、たいてい10月までらしい。今ごろ私の体を過敏にさせているのはいったい何の花粉なのだろう。
 仕事は相変わらず忙しいが、超特急で片付けて(途中までだが)帰宅。トレーニングに直行した。今月はこれで8回目である。フルメニューをこなした後は、血圧は正常、しかし体重は依然として減らず、肥満度プラス0.4%で体脂肪率が18.4%だった。2000mのラボード走行中も万歩計をつけていたので、帰宅してから、数値をチェックしてみると、7714だった。トレーニングに行かなければ、5000も到達できなかったろう。
 とうとう11月も終わりである。時間の貴重さを痛感する。

04年12月はここ

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